超大型台風30号直撃のフィリピンの被害状況Part3

現在、超大型台風30号の被害に関するニュースはフィリピンよりも日本の方が、早く正確で多くの情報が伝えられています。
Yahoo Japanのトップニュースにフィリピンのニュースが2つも入ったことは、私の記憶では初めてではと思います。

死者数10,000人以上と報道されましたが、現地の警察幹部の推測値の様です。11月14日午前中のニュースでは、2,344人の死者数と報道されています。
アキノ大統領は、死者数は2,000人から2,500人と米CNNテレビのインタビューで明らかにした。しかし、その数値は現時点では少し小さ過ぎる様に感じます。実際、まだまだ死者、行方不明者が増えることは間違いなさそうな状況です。


そんな状況の中ではフィリピン政府と災害時の救援協定を結んでいるアメリカ政府は、沖縄からKC-130J輸送機と話題のオスプレイを緊急派遣しました。空母ジョージ・ワシントンも11月14日フィリピンへ到着して、海兵隊員5,000人規模と航空機80機が支援活動を行います。

日本政府も国際緊急援助隊医療チームの本隊22人を派遣し14日夜被災地タクロバンに到着しました。また、13日、日本政府は、自衛隊は1,000人規模、艦艇3隻、輸送ヘリコプター、輸送機をという過去に例を見ない規模の支援を決定しています。


台風被害が大きくなった原因

いろいろな原因が議論されています。
巨大な台風の発生や経路は、ある意味では、フィリピンという国のロケーションによる宿命的なものがあり、自然災害と言えるでしょう。また、今回の30号は、観測史上でも類を見ない大きな台風であり、瞬間風速が大きく、湾岸部では大きな津波が発生したことも起因しています。

ただ、予想を超える被害が出た原因には人的な問題もある様です。

●十分な警戒警報が出ておらず、また十分に情報がいきわたっていなかったこと。
●地方自治体(州、市町村、バランガイ)に、この様な場合の対策マニュアルがほとんどなかったこと。
●台風国であるフィリピン政府の事前対策がほとんど無かったこと。
●避難勧告があっても避難先が全く安全でなかったこと。
●貧困に起因して、建築物の強度が非常に低かったこと。
●過度の森林伐採で洪水を助長させたこと。

また、大きな被害が出たことで自治体の機能は完全にマヒして、自治体職員は出勤していない、通信網がダウンした場合の非常通信手段がないことからも、中央政府の把握の遅れが発生しました。非常時の無線システムやバックアップ電源などの設備もなかったのでしょう。

その後は、フィリピン政府の支援システムの乏しさ、アキノ大統領と自治体とのコミニュケーションのトラブルなどから、緊急対策が大きく遅れることとなってしまいました。

災害から1週間経った今、200万人以上が食料不足となっていいます。また、配給できない食料がマニラなどに山積みなっていたり、被災地の空港でも配給がスムーズにいっていない様です。現在の状況から救援活動はかなり困難であることはわかりますが、それにしてもアキノ政権の対応のお粗末さに多くの批判が寄せられています。

今後は、国際支援の成果に大きな期待が寄せられています。