超大型台風30号直撃のフィリピンの被害状況Part4

11月16日(土)午前中、超大型台風30号直撃のフィリピンの被害状況をまとめました。

国際支援が動き出したことで悲惨だった被災者の状況は徐々に良くなっている様ですが、被害の大きな地区、山間部、小さな村では、食料の配給がまだ届いていない状況が続いています。

また、被害状況は徐々にわかりつつありますが、全体像がはっきりするには、まだ相当な期間がかかりそうです。

レイテ州のメイン道路の通行がほぼ回復しています。電気、通信は、大半の地域が回復しておらず、親戚などと連絡がつかない状況が続いていますので、実際の被害者数も良くわからないのが現状と言えます。


死者数3,631人、行方不明者数1,179人、負傷者数12,487人
一部地域の詳しい状況は現在も分かっていないため、アキノ大統領の発表値(死者数2,000-2,500人)を大きく超えて、死者・不明者が計5,000人を超える可能性が高くなっています。

レイテ島、サマール島の在留邦人133人のうち49人の無事を確認
依然、80人以上との連絡がついていません。11月14日夕方、日本大使館の職員2人がレイテ州タクロバン市に入り、邦人の安否確認作業にはいりました。

日本政府、フィリピンで支援にあたる自衛隊員を1180人に増強
自衛隊員が約50人が医療活動などを既に行っています。日本政府はフィリピン政府からの要請を受けて自衛隊員を1180人に増強することを15日に決定。国際緊急援助隊として派遣される自衛隊としては過去最大の規模になります。

身元の確認できないまま遺体を埋葬
被災地では暑さで死体の腐敗が続いているため、身元不明のまま埋葬することが決定して、共同墓地などを中心に埋葬処理が始まっています。

治安の鎮静化が急務
被災地では、未だ食料不足のため略奪行為が深刻化して、13日には武装集団が略奪行為で治安部隊と武装集団の銃撃戦が発生しました。また、武器を所持した武装集団による商店などへの襲撃行為が続いています。現在は、国家警察、軍隊が増員されて治安の維持に努めています。また、食料配給も進んでいることから、治安の回復は早いと予想されます。

救援物資の横流しが横行か?
国家警察はミンダナオ地方サンボアンガ市でこのほど、社会福祉開発省から配給された救援物資を販売していた男2人の身柄を拘束しました。2人は配給の缶詰150個以上を販売した疑いです。彼らは氷山の一角で、既に、救援物資の横流しがかなり行われていることが懸念されます。

台風30号直撃で刑務所壊れ、受刑者大脱走
11月12日レイテ州タクロバン市にある刑務所の壁が壊れ、受刑者が脱走しました。刑務所は約600人を収容しており、うち何人が脱走したかは不明のままです。その後のニュースもはっきりしないため、不安材料になっています。



少なくとも住宅8万戸が破壊され、家を失った人は58万人を超え、被災者は200万人を超えています。

これらの人々の生活が元通りに回復するには、まだまだ遠い道のりが必要で、短期ではなく、中長期の国際支援が望まれます。